Sesto Rocchi (1909〜1991)
セストロッキは1909年4月10日にS.polo d’Enzaにて生まれました。1926年から1927年の間にイタリアで最初のヴァイオリン制作学校がParmaにて開校され、ラファエレヴァッカーリと共にガエタノズガラボットからヴァイオリン制作を学びます。
その後、師であるズガラボットに連れられミラノにあるレアンドロビジャッキの工房に移ります。そこではガリンベルティ、オルナーティ、ペドラッツィーニなど、1900年代初期の著名な楽器制作者らがビジャッキのもとで仕事をしました。彼らはビジャッキが当時所有していたストラディバリ、アマティ、デルジェズのコピーを製作しています。
現在市場には第二次世界大戦後に製作された楽器が出回っておりますが、今回ご紹介させていただく楽器は大戦前の1930年、ズガラボットに師事していた頃の作品となります。
楽器のアウトライン、ニスの色味から見ても大戦後の作品とは非常に異なり、その当時ズガラボットが教えていた作風に忠実です。
ラベルも同年代の楽器と同様にタイプライターで製作されております。
その貴重さから2019年に出版されたガエタノズガラボットを網羅した本、I SEGRETI DI SGARABOTTOでも楽器の写真を含めて紹介されております。
この年代の作品は我々の目から見ても珍しく、市場で見かける事の少ない大変貴重な逸品となっております。
鑑定書 Carlson & Neumann